和歌山県赤十字特別救護隊とは

目的

  和歌山県赤十字特別救護隊(以下「救護隊」という)は、日本赤十字社和歌山県支部直轄の特殊奉仕団として、日本赤十字社和歌山県支部が行う災害救護活動及び人命救助に関する業務に、無償で従事し進んで社会奉仕の実践に努めもって赤十字の理想とする人道的任務の達成に寄与 することを目的とする奉仕団体です。

奉仕の内容

  和歌山県赤十字特別救護隊は、災害救護活動及び人命救助に関する業務に奉仕するほか、その能力、特性を生かした奉仕活動を行い、日本赤十字社和歌山県支部の事業に協力する。

組織

 救護隊は隊本部及び下記の8分隊で構成する。

紀北分隊(橋本市、紀の川市、岩出市、伊都郡、那賀郡に在住する隊員で編成)

和歌山分隊(和歌山市に在住する隊員で編成)

有田分隊(海南市、有田市、海草郡、有田郡に在住する隊員で編成)

中紀分隊(御坊市、田辺市、日高郡、西牟婁郡に在住する隊員で編成)

紀南分隊(新宮市、東牟婁郡、三重県下に在住する隊員で編成)

泉分隊(大阪府下に在住する隊員で編成)

救急安全分隊(水上安全法、、蘇生法、救急法の技実を習得し、県内でこれらの指導普 及を図る隊員で編成)

飛行分隊(赤十字飛行隊和歌山支隊に所属する隊員で編成)

沿 革

前身の無線赤十字奉仕団の誕生

 誕生の背景には、和歌山県は昭和9年の室戸台風、23年の有田水害、25年のジェーン台風、27年の大洪水、28年の7.18大水害、21年の南海道大地震等自然災害を体験してきた災害県であった。また一方では、昭和30年半場からアマチュア無線がブームとなり、多くの無線家が誕生し、これら使って社会的にボランティアを行う動きが出てきはじめていた。
 和歌山市内を中心としたアマチュア無線家で結成している日本モービルハムクラブ(JMHC)の関西メンバー(大阪、京都、兵庫、和歌山)が2カ月に一度遠乗り会(ミーティング)を実施していた。大阪のメンバーから無線赤十字奉仕団があり、すでに無線クラブのメンバーや関係者で「大阪機動奉仕隊」が結成され、活動を行っていると紹介され、災害時に大阪と和歌山が力を合わせてやっていこうということが発端となった。
 そこで和歌山のメンバーが県支部と話し合いをもって、昭和36年9月29日に準備委員会が設立され、結成について種々検討されて39年9月29日にメンバー9人により和歌山県無線赤十字奉仕団として結成された。

無線通信体制の強化 

 各団員が自宅に基地局、自動車に移動無線局をおいて無線総基地局(統制局)の設置など通信網をつくり、昭和41年には和歌山地区非常無線通信協議会に加入した。43年には同協議会常任委員となり、43年3月18日には念願のクラブ局JA3YQJが認可開局された。また遠距離用のクラブ局 JA3ZBGが46年12月17日に認可開局され通信網が強化された。
 災害時の通信網を広げようと、近畿の無線赤十字奉仕団が災害時の緊急連絡と各団における活動体制の研究、合同訓練の実施等、お互いの親睦のために44年9月21日に無電赤十字奉仕団近畿ブLロック連絡協議会が発足して、全国組織を作ろうと呼びかけている。

無線赤十字奉仕団の活動

 災害時の無線通信で結成した奉仕団であったが、平時は自分たちの技術をいかしたボランティアをと、県の民生部と協議して社会福祉施設等のテレビの巡回診断を実施したり、臨時救護所との無線通信だけでなく、無線を使って団員を召集し県支部にある救護資材の折畳舟艇、ゴムボート等を使って警察、消防、海上保安庁とともに、水難者の捜索の手伝いをするととなった。
 また、交通事故速報、患者救護、緊急血液の手配と運搬、山火事の通報等があるが、とくに大阪府泉南郡での南海電車の事故、由良町の集団赤痢での通信連絡にあたった。
また、海上での船舶の負傷者の救護に赤十字の救護班とともに出動して現場の状況無線で連絡にあたっている。
併せて、毎年実施される県、市の防災訓練での非常通信訓練、近畿地方非常無線通信協議会の非常無線コンテストに参加したり、多方面で活動しています。

和歌山県赤十字特別救護隊発足

 非常通信だけではなく、救護活動に活躍することになり、団員も70名となって従来の無線赤十字奉仕団だけでなく幅広い活動に対応するための組織改革をし、45年 9月16日に県庁大会議室で支部長、県知事大橋正雄氏(故人)ほか各関係機関来賓多数出席をいただき結成式を挙行して、支部長から結成を祝して隊旗(ホームページの写真)が贈呈された。

和歌山県赤十字特別救護隊の主な活動

 主な活動は、台風来襲時や突発的な事故での無線による情報収集活動、夏の海水浴客救護のための海浜パトロール、地域の祭事、マラソン大会や運動会での支援活動、急病人の緊急搬送、登山の救護、献血支援等を実施。これらの活動は地域、関係機関等の連携であらゆる機会を通じて幅広い活動している。(詳細は別紙活動状況)
@災害救護
  ○南海電車脱線事故救護連絡(42年4月1日〜4.2及び42.7.24の2回)
  ○由良町赤痢救護活動(42.6.1〜6.17)
  ○台湾船乗員救護(44.10.18)
  ○有田市コレラ医薬品搬送(52.6.30)
  ○富士山大規模落石事故救護(55.8.14)
  ○阪神.淡路大地震救護(7.1.17〜2.19の33日間)他
A人命救助
B赤十字無線救護奉仕団近畿ブロック連絡協議会および合同訓練
  災害時の通信網を広げようと、近畿の無線赤十字奉仕団が災害時の緊急連絡と各団における活動体制の研究、合同訓練の実施等や互いの親睦のために44年9月21日に無線赤十字奉仕団近畿ブロック連絡協議会が発足して、全国組織を作ろうと呼び掛けている。
 特に無線赤十字奉仕団近畿ブロック連絡協議会(途中で赤十字無線奉仕団近畿ブロック連絡協議会に改称)の合同訓練の支援をして44年6月17日〜17日に和歌山市市民スポーツ広場で第1回目の訓練を実施して以来毎年実施し、平成6年度からは支部主催で各府県の常備救護班を編成した第4ブロック赤十字災害救護訓練の発展に力を注ぎ、平成6年5月28〜29日に和歌山県支部が当番で第1回の訓練が実施され大成功裡に終了した。

ホームページへ戻る